大人の塗り絵②(塗り絵の塗り方と感想)

机に置いてあるケースを開けると60本もの色鉛筆。どの色もとってもきれいです。黄色だけでも何種類もあります。今回は、先生の言われる色(鉛筆に番号が刻印されています)を使い、実際に見本をみながら塗っていくことになりました。ここで使用する色は、花びらで5色、葉と茎は6色、めしべ、おしべで5色と計16色もの色です。

塗り絵は、各部位を最大5段階にわけて塗っていきます。
まず、1段階は、下塗りです。花びらにはスカイブルーライトを、葉と茎にはレモンイエローを、おしべ・めしべにはターコイズブルーを全体的に塗っていきます。ここで不思議に思ったのは、本来の花の色とは全く異なる色を塗ったことです。しかし、後にここが絵の一番重要な部分だと知りました。
また、塗る時のポイントは、枠をなぞらないことと、常に一方向から丁寧に塗ることです。子供の頃は、きれいに塗ろうとして、まず下書きの枠に沿って色鉛筆を重ね、そして中を塗るという方法をとっていましたが、これは子供の塗り方なんですね。枠をなぞらず一方向、これが“大人”な塗り方です。
2段階は、花びらの奥行きを出すために花びらの中にバイオレットミディアムを、葉と茎の影となる部分にはレッドディープ(濃いめの赤)を、めしべ、おしべには、スカイブルーを塗ります。
3段階は、陰影を意識しながら花びら部分にバイオレットを加え、葉と茎にはグリーンミディアムを塗ります。この段階で、花びらについては、1段階に塗ったスカイブルーライトがバイオレットの影響で白く見えだしました。そして、葉と茎については、先に塗ったレッドディープにグリーンミディアムが重なりあい、色に深みが出てきました。そして、おしべ全体にレッドライトを塗り、おしべ、めしべの首の部分にイエローグリーンを塗りました。
4段階は、花びらについてはイエローディープ(濃いめの黄色)を少し加え花脈をあらわし、葉と茎にはグリーンディープ(濃いめの緑)を重ね、葉脈をあらわしていきます。
5段階は、各部位の仕上げです。
下塗りをした効果で、花びらや葉などに色合の変化が見られ、立体感が表現でき、それぞれに奥行きがでました。最後に、自分の作品にサインを入れて完成です。こんな感じになりました。いかがでしょうか。

参加した皆さんの作品をそれぞれ見て回りましたが、同じ説明を受けても、ひとりひとりの出来上がった作品はまったく違うのでとても驚きました。これが個性なんですね。本当、どの作品もとてもすばらしい出来でした。皆の作品(個性)をみることで、新たに「私もこんな風に描きたいな」と自然と意欲がわいてきました。今回の塗り絵を通じ、これらのことを学ぶことができ、とても有意義に過ごせました。帰る頃には、心がほんわかと温かい気持ちになりました。これが、塗り絵の効果でしょうか。
日ごろの生活で脳や体によくないことって知らず知らずのうちにやってしまっているんですよね。時には、こういうことを生活に取り入れてみると、ゆとりある毎日を送れるかもしれませんね。
よかったら、みなさんも始めてみませんか?


松浪裕子